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飲食店のインバウンド集客を成功させよう!すぐに実践できるポイントを解説

飲食店のインバウンド集客を成功させよう!すぐに実践できるポイントを解説

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観光地を歩いていると繁盛している飲食店が数多くあります。行列ができているお店も多く、外国人観光客から人気のお店も珍しくありません。こうしたインバウンド需要をうまくキャッチしているお店は、どういった工夫をしているのでしょうか。
この記事では飲食店のインバウンド集客を成功させるためのポイントを分かりやすく解説しました。すぐに実践できる取り組み内容を数多くお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

まずはインバウンドについて整理しよう

そもそも、インバウンドとは外国人が国内へと訪れてくる旅行のことを指します。旅行業界や観光業界などで広く使われている言葉で、飲食店としても欠かせないキーワードです。まずは、インバウンドが注目される背景や特徴などを整理しましょう。

インバウンドが注目される背景

インバウンドが注目される代表的な背景としては以下が挙げられます。

  • ・外国人観光客の継続的な増加
  • ・コロナ後の旅行需要の回復
  • ・外国人観光客による経済活性化

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、インバウンドにも大きな打撃が発生しました。

しかし、外国人観光客は年々増加してきた傾向があり、コロナ後の旅行需要も回復してきています。人気の観光スポットを歩けば、多くの外国人観光客が訪れていることが分かるはずです。また、少子高齢化など日本国内の経済は失速傾向にあります。そのため、経済活性化につながる施策としてもインバウンドへの注目が高まっています。

インバウンドの多い国

日本政府観光局が発表した2019年の訪日外国人旅行者数は約3188万2000人です。これは前年に比べて、2.2%ほど増えていました。特に、韓国・中国・台湾・香港・タイといったアジア各国からの観光客が多い傾向にあります。アジアからの訪日外国人旅行者の総数は約2681万9000人おり、大きなインパクトがあると分かります。欧米諸国に絞ってみると、日本はアメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・カナダなどからの人気が高い国です。ただし、ヨーロッパの訪日外国人旅行者の総数は約198万6000人、北アメリカは218万7000人です。アジアと比較すると規模は小さい傾向があることが分かります。

インバウンドで人気の日本の地域

日本政府観光局による2019年の都道府県別訪問率ランキングを見てみましょう。
日本で外国人観光客から人気があるのは1位東京、2位大阪、3位千葉です。その後、京都、奈良、愛知と続きます。
訪問率という指標で比較すると東京が47.2%と飛び抜けて高く、2位の大阪は38.6%です。神社仏閣など観光名所の多い京都は27.8%であるため、東京の人気の高さが分かるでしょう。東京はアクセスが良く観光スポットも数多くあるため、多くの外国人観光客が訪れています。

関連記事:アフターコロナでインバウンド需要が回復の兆し

飲食店のインバウンド集客を成功させよう:基本編

それでは、飲食店のインバウンド集客を成功させるためには、具体的にどういった準備を進めれば良いのでしょうか。
まずは、基本となるポイントを厳選して5つ解説します。

Wi-Fi環境を整える

スマートフォンを快適に利用できるように、Wi-Fi環境を整えましょう。外国人観光客は旅行先でスマートフォンやタブレット端末を利用することも増えるため、インターネット接続が必要な場面が多くあります。そのため、飲食店においてもWi-Fi環境を整えておくと、外国人観光客のニーズに応えることができるのです。
また、Wi-Fi環境が整備されていれば、食事中に口コミサイトやSNSへの投稿が可能になります。お店の認知度をアップさせる意味でも、Wi-Fi環境の整備は大きな効果が期待できます。

キャッシュレス決済を導入する

キャッシュレス決済を導入して、お店の利便性を向上させましょう。現金を使うよりもクレジットカードなどのキャッシュレス決済の方が、言語の壁などを感じずスムーズに決済が完了できます。

もし、現金が不足している旅行客がいたとしても、キャッシュレス決済を導入していればトラブルも生まれにくくなるはずです。お店にとってもキャッシュレス決済はスタッフの対応の負担を削減できるため、人為的なミスを防止できるなどメリットが大きいといえます。現金以外の決済手段も導入して、外国人観光客のニーズに応えましょう。

外国語のメニューを用意する

飲食店の場合は外国語のメニューを準備しましょう。日本語に精通している外国人観光客は少数派です。少しでも快適に食事を楽しんでもらうために、言葉の壁をなくす取り組みをしましょう。
仮に、ある程度の日本語を理解できる方であったとしても、食べ物や調理法に関する単語は難易度が高いです。
特に、食べ物にアレルギーがあって特定の食材を避けないといけないケースも想定されます。そうした場合にも、外国語のメニューが用意されていて内容を確認できると安心材料になるはずです。料理の美味しそうな写真も掲載して、分かりやすい外国語のメニューを作ってみましょう。

外国語を話せるスタッフを採用する

外国語を話せるスタッフの採用を検討しましょう。英語などの外国語を話せるスタッフがいると、外国人観光客に対してサービス提供がしやすくなります。
多くの外国人観光客は日本語が話せないため、メニューの注文や食事のオーダーなどでのコミュニケーションが困難です。
しかし、外国語を話せるスタッフがいることで、スムーズなやり取りが可能になります。外国人観光客からはそうした飲食店は魅力的に映るため、ほかのお店と差別化を図ることで集客アップも期待できます。

口コミサイトへ登録する

飲食店がインバウンド集客を成功させるためには、口コミサイトへの登録も欠かせません。
口コミサイトは外国人観光客も多く利用しております。そこで高い評価を受けることで集客効果が期待できます。
そうした口コミサイトに登録すれば外国人観光客が利用する際に、飲食店を検索しやすくなります。また、口コミや評価が掲載されることで飲食店の魅力が伝わり、集客効果が期待できるのです。
さらに、口コミサイトには外国語対応の可否や、外国人観光客向けのメニューやサービスがあるかどうかも掲載されます。外国人観光客のニーズに合わせた情報を発信できるようになるのです。

飲食店のインバウンド集客を成功させよう:応用編

飲食店のインバウンド集客を成功へと導くために、すぐに実践できる工夫がまだまだあります。

ライバルの飲食店に差をつけられる、5つのポイントについて解説します。

SNSを活用する

お店の魅力を海外からの観光客に伝えるには、積極的にSNSを活用しましょう。
以下に代表的なSNSの種類と特徴をまとめました。

・Instagram:
 写真や動画など視覚による情報伝達に優れるほか、世界的に登録ユーザーが数多くいます。

・Twitter:
 文字による情報が重視されており、拡散性が高いSNSです。

・TikTok:
 短い動画によって情報を拡散でき、10代を中心に上の世代からも人気を集めています。

・Facebook:
 実名制のSNSで情報量に強みを持ちます。

それぞれの特徴を良く理解して、お店に合ったSNSを使ってみましょう。

独自のメニューを作る

お店ならではの独自のメニューを作ってみましょう。外国人観光客が喜ぶメニューやサービスがあれば大きな宣伝材料になります。例えば、以下のような独自メニューが人気を集めています。

  • ・インスタ映えする料理
  • ・アニメや漫画などをモチーフにしたメニュー
  • ・忍者や侍など、和を感じられる世界観のメニュー
  • ・寿司を握るパフォーマンス
  • ・メイド喫茶

例えば、日本でしか味わえないサービスを外国人観光客に提供しましょう。旅の思い出作りのお手伝いができます。話題のお店として口コミが拡散するように工夫してみましょう。

近隣施設と協力する

近隣のお店と協力を試みましょう。訪日する外国人観光客の目的は飲食店の利用だけではありません。買い物や観光など、さまざまな楽しみを旅行に求めています。
食事以外の場面で接点を少しでも増やすために、相性の良い近隣施設と協力できればお互いの宣伝を行えます。例えば、インバウンド集客に力を入れている土産物屋などにショップのカードやクーポンを置いてもらうようにお願いしてみましょう。

店頭販売や実演を行う

飲食店で取り扱うメニューの種類によっては、店頭販売や実演を検討してみましょう。店頭販売や実演は日本語が通じなくてもお店の魅力を伝えられるメリットがあります。インパクトもあるため広範囲の外国人観光客にお店をアピールすることが可能です。
また、最近は消費動向も大きく変化しております。消費価値よりも体験や経験への消費価値を重視する訪日外国人が多くなっています。ただ飲食物を提供するだけではなく、実演販売のような付加価値によって満足度を高めリピート率も向上させられるのです。

看板を工夫する

飲食店の店先などに設置する看板を工夫してみましょう。看板はお店の顔であり、外国人観光客に対しても有益な情報を発信できます。
例えば、Wi-Fi環境が整っていたり、キャッシュレス決済に対応していたりすることは外国人観光客にとって大きなメリットです。ほかにも英語といった外国語に対応している場合には、看板にも明記しておくと親切です。看板にもお店の特徴を明示して強みをアピールしましょう。

飲食店のインバウンド集客に活用したい制度

飲食店のインバウンド集客を推進させるには、積極的に制度を活用しましょう。
実際に活用できる制度の内容は自治体によって異なりますが、さまざまな取り組みが行われています。今回は東京都が実施している代表的な制度について解説します。

インバウンド対応力強化支援補助金

外国人観光客のニーズに対応した利便性や快適性を向上させる目的として、新たに実施する受入環境整備に向けた取り組みが支援されます。

・申請受付期間
 令和5年4月1日~令和6年3月31日

・補助対象者
 都内の飲食店・宿泊施設・免税店など

・補助率
 2分の1(災害対応のみ令和5年5月7日まで3分の2)

・補助限度額
 1施設/店舗など当たり上限300万円
 1団体/グループ当たり上限1,000万円

観光事業者のデジタル化促進事業

生産性の向上や商品の高付加価値化を実現するために行う、デジタル化やDXなどの経費の一部が補助されます。

・申請受付期間

 令和5年4月19日~令和5年6月16日

・補助対象者

 都内の中小企業の観光事業者(飲食・宿泊・小売・旅行事業者など)

・補助率

 3分の2

・補助限度額

 1事業者当たり上限3,000万円

飲食事業者向けベジタリアン・ヴィーガン認証取得支援補助金

東京を訪れる外国観光客などが、安心して東京での食文化を楽しめる環境整備の一環として設立された制度です。新たにベジタリアンやヴィーガンに関する認証取得に関連する経費の一部が補助されます。

・申請受付期間

 令和5年4月1日~令和6年3月31日

・補助対象者

 都内で飲食店を営む事業者

・補助率

 2分の1

・補助限度額

 1店舗当たり上限20万円

まとめ

新型コロナウイルスの影響で苦しい時期が続いていました。しかし2023年になりインバウンドの数も回復しつつあります。
また、アジアを中心に欧米諸国などさまざまな国から日本へと観光客が訪れるようになりました。
特に食文化が発達している日本では、食事を楽しみにする観光客も大勢訪れます。飲食店としてはインバウンド集客を成功させるチャンスです。
キャッシュレス決済やWi-Fi環境の整備だけでなく、SNSを活用したりオリジナルのメニューを作ってみたりするなど、外国人観光客に優しく、独自性のある取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。