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グルメサイトの評判が上がり続ける繁盛店スタッフの特徴とは?~顧客が思わず口コミで褒めたくなるスタッフを育成する3つのポイント

グルメサイトの評判が上がり続ける繁盛店スタッフの特徴とは?~顧客が思わず口コミで褒めたくなるスタッフを育成する3つのポイント

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グルメサイトでスタッフの好評コメントが増え続ける大阪府吹田市の飲食店「炉端焼き 榎坂の蔵」にインタビュー

今回の記事は、グルメサイトで評判が上がり続ける繁盛店スタッフの特徴とは何か?です。
顧客が口コミで、思わず褒めたくなるスタッフを育成するための3つのポイントについて解説。
繁盛店のインタビューも踏まえながら、紹介していきます。

ウェブサイトを見て来店するお客様は何を判断基準にしているのか?

お客様が「来店したい!」と思う判断基準はどこにあるのでしょうか。
「味」「価格」「場所」「雰囲気」など、お客さまによってさまざまな判断基準があります。

お客様は、まず最初にグルメサイトの口コミを拝見したうえで、実際に行って満足できるお店かどうかを判断しています。例えば、★評価が少し低いと感じたら、なぜ低いのかを口コミを見て原因を探ります。そして、ホームページで再度確認します。

★評価が満点でなくとも、「安いのにこだわりがあって美味しかった。店員さんの雰囲気もとても良い!丁寧な接客でした。」と大絶賛の口コミが書かれていると、気になっていたお店である場合は、一度足を運んでみよう!と来店意欲が湧きます。

さらに、その評価を分析してみると、「料理の味」「価格」「スタッフやお店の雰囲気」を判断基準としてサイトに書き込みしている場合が多いということが分かります。ただ、意見は人それぞれであることも事実です。

例えば、「せっかく美味しいし店員さんも良いのに、喫煙者のわたしにとっては全席禁煙で残念だった」とコメントが書かれていたとします。しかし、もし口コミを見ている本人が嫌煙者だったとしたら、「お店の評価も高いし、コスパもいいなら行こう!」となるわけですよね。口コミは、見る人の立場によって良い情報かどうかの評価がわかれることもあります。

しかし、ここでお店やスタッフの対応が非常に丁寧で、「お店の外に灰皿がありますから、ご利用くださいね」と、可能な限りの気遣いを見せていれば、ある程度の反対意見をヘッジすることも可能になるわけです。

しかし、このようなお店からのコメントや説明は、やはりグルメサイトで展開することは難しいです。
そのために、グルメサイトを補完する意味でも、自社のホームページでは、きちんと丁寧に情報発信を続けていきたいものです。

お客様から見た「雰囲気の良いお店」

口コミを見たお客様が、来店した際に最初に印象を受けるのがお店の雰囲気です。では、雰囲気が良いと判断されるポイントは、一体どこにあるのでしょうか。それはファーストコンタクトである出迎えスタッフの接客態度を、まず一番に見るのではないでしょうか。

「雰囲気の良いお店」には3つの特徴があります。

・満足しているお客様の活気
・店内の適度な清潔感
・店主やスタッフのお客様への愛情

入店した時に、上記の3つが掴めている飲食店には、ほとんどの場合、常連様がついています。常連のお客様が特に重要視しているのが、スタッフや店主によるお客様(お店)に対する愛情です。

自分が来店したときに出迎えてもらい、何より2回目の来店で顔を覚えてくれていたとします。こうしたスタッフの接客サービスによる頑張りは、嬉しさや喜びを生み出します。結果、お客様はそのお店を応援したくなるし、また来店したくなると思うわけです。

そして、そういった気の利いた接客を、自ら紹介したいから口コミにコメントを書く・・・感動した体験を誰かにシェアしたい、そんな気持ちで口コミを書いている方は多いと思います。

口コミで最も評価されているのは「味」「価格」もう一つは?

口コミのコメントで評価されているのは「味」「価格」「スタッフの雰囲気」です。ほとんどの飲食店口コミサイトで、このSNS3大要素が書き込みされています。

このご時世において、安くて美味しいお店を探すユーザー様は、年々増加しているのではないでしょうか。

「安くて美味しい、また利用したい」と書かれたコメントの中には、お店の雰囲気が良かったから、という前提が存在します。

例えば、「料理は美味しいし価格も安いけど、店員さんの愛想がいまいちで残念。少し雑だったかな。値段が安いからこんな感じかな」というコメントは妥当な満足感ではなく、マイナス評価につながります。
最終的には、「値段が安いから仕方ない」と書き込みされてしまうことになります。

今の時代、高くて接客が良いのは当たり前と感じているお客様は多いのです。

大切なのは、値段以上の接客クオリティだといえます。プライスレスの接客クオリティともいえます。

どのスタッフであっても丁寧な対応ができる飲食店の育成ポイント

クオリティの高い接客を全てのスタッフに求めることは、非常に難しいことです。接客クオリティの維持は、お店を仕切る店長やバイトリーダーさんにとって頭を抱える問題ではないでしょうか?うまくコミュニケーションを交わしながら、接客のスキルを上げていくには、思ったより時間がかかるものです。

まずはどのお客様にも丁寧な対応ができるスタッフを育成することが大事なポイントになります。

丁寧な対応ができるスタッフを教える時のポイント3つ

①礼儀正しい言葉づかいを使えるよう訓練する
丁寧な接客の初めの一歩として大事な要素になるのが「礼儀正しい言葉遣い」です。
言葉遣いがまだ慣れていないスタッフには、迅速な修正が必要になります。何度も繰り返して口にすることで、自然と正しい言葉遣いが使えるようになりますので、最初のうちは、気をつけながら見てあげることが大切になります。

②お客様を気遣う動作の速さを教える
ただ早いだけでは丁寧とは言えません。本当の接客の早さとは、急いでいるお客さまには極力素早い動作で、ゆっくりなお客さまにはその速度に合わせて細かく対応することが大事な要素です。
この育成トレーニングにおいては、お客様と接するOJTの時間を増やしてあげることが大切なポイントとなります。

③確認の徹底
忙しい時間帯になると、つい確認を怠ってしまうことがあります。その結果、接客ミスにつながる可能性が高くなります。お客様を待たせてしまうことになりかねませんので、注意が必要です。

正しく接客用語も使えてホスピタリティが抜群であったとしても、確認漏れによってお客様に対してミスがあっては丁寧とは言えません。「少しでもわからないと思ったらいつでも聞いてね!」と相手が聞きやすいようにフォローしてあげましょう。スタッフが安心感を持って、仕事に取り組んでもらうことが必要になってきます。

グルメサイトでスタッフのお褒めコメントが増え続ける大阪府吹田市の飲食店「炉端焼き 榎坂の蔵」インタビュー

グルメサイトでスタッフへのお褒めのコメントやプラス評価が増え続ける大阪府吹田市の居酒屋店「炉端焼き 榎坂の蔵」代表取締役の加藤社長、エリアマネージャーの荒谷さん、店長の正木さん、社員の大谷さんという、4名の方にお話をお伺いしました。

スタッフ育成の取り組み

ライターチーム)ホスピタリティの高いお店だと感じました。会社ではどんな取り組みをされていますか。

代表:加藤社長)

まず、QSC &VHA向上委員会を立ち上げました。一般社員を巻き込んで、店舗のオペレーションスキルを上げる取り組みです。レギュレーションを店長用、スタッフ用などに分けて、飲食店があるべき本来の基本的な部分を全てマニュアル化しました。マニュアルは作ってそのままではなくて、研修を行ったり改善するべきところは随時アップデートして、みんなで共有。スタッフのスキルアップにつなげています。

エリアマネージャー:荒谷さん)

各店舗で基本的なことを教わったスタッフに対し、研修を実施しています。ただ、研修をやるだけでは、こちらの伝えたい内容が響かないスタッフもいます。そのため、基礎的な部分を各店の店長が教育した段階で、より内容が響きそうな育成スタッフを選抜していますね。内容は主に接客スキルの向上です。
例えば、「大切な人が自分の家に来たときには、相手を気遣う行動をとるよね。喉が渇いていたら飲み物を用意してあげたりするよね?」具体的な例え話を交えて、スタッフに伝えるようにしています。スタッフが若い男性なら、初めて家にきた彼女にどんな気遣いをしてあげるのかを引き合いに出しながら研修を実施していますね。例え話を交えることで、納得しやすくなるので、違和感がなく実際の接客行動に反映してくれるのだと思います。

代表:加藤社長)

また、覆面調査も月に6回実施しています。当店も含め様々な飲食店に来店していただいたお客様が、アンケート調査に協力していただくシステムを活用しています。いわゆるCS(お客様)評価です。チェックボックスの回答式になっていて「再来店の意向があるか」「スタッフの雰囲気はどうだったか」などを答えていただき、結果をグループラインで共有しています。このようなアンケート調査は、月に1回か2回実施されている飲食店様がほとんどなのですが、当社ではさらに回数を多く実施しています。サンプル数が多いほうが、より正確な平均値を取ることができるからです。各店舗の総合評価を決めているしくみになっており、覆面調査の結果も含めて全員で共有しています。

現場でミスをしたスタッフを指導するとき

ライターチーム)ミスをしたアルバイトスタッフにはどのように指導されていますか。

店長:正木さん)

むやみに怒らないようにしています。ミスをした時に「こら、何やってんだ」などと威圧してしまうと、相手は萎縮してしまいます。常に笑顔で働いてもらいたいから、怒るのではなく関西ノリのツッコミを入れるような言い方するとか、僕自身がアホになってふざける真似をして、むしろ楽しんでもらう意識を持って接しています。そのほうが、かえって「次は失敗しないように」気を付けてくれるように思います。

社員:大谷さん)

私は、短絡的に伝えないことですかね。「こうすることでミスにつながるから」とか「ミスがこういう結果に続いていくから」とか、なるべくストーリーとして繋がるように伝える意識をしています。

課題を抽出してさらに伸ばす育成の取り組み

店長:正木さん)

元々、うちの店舗はおすすめメニューが弱かったんです。そこで考えたのが、ゲーム的な感覚で競わせて、勝ったら特典を与えるやり方です。1ヶ月の間に、おすすめメニューのオーダーを獲得した総計が一番多いスタッフが特典をゲット。この取り組みのゴールは、自然におすすめができるようになるのが目的です。今は実験段階なんですけどね。あえて特典内容は非公開にしています。
言ってしまうと面白くないのと、わかってしまうと興味のない特典だったら競わなくなるからです。
とはいっても、きちんと何が欲しいか多少のリサーチはしています。

店長と社員のコミュニケーションで生まれる解決策

ライターチーム)スタッフ育成について、正木店長と社員の大谷さんとの間で、「定期的な打ち合わせ」はされていますか。

店長:正木さん)

特別に「打ち合わせ」という形で時間を取ることはありません。ランチとディナーの合間の休憩時間に賄いを食べながら、タイプの違うスタッフ達の教育方針を普段から日常的に話し合っています。話の内容としては、スタッフの悪いところばかり見るのではなく、良いところをより多く見つけて伸ばしていくという方針です。そのためにはどうすればいいか?常に二人で意見を出し合っています。お互いに言いたいことを言い合う関係性でいようと決めています。大谷さんは僕の一番の理解者であるからこそ、育成もバランスが取れているのだと思います。

ライターチーム)なるほど。だから先日、お店にお邪魔させていただいた時にスタッフの方が積極的におすすめメニューを押してくれていたのですね!素晴らしい取り組みです。


今回はご協力ありがとうございました。