今回の記事は、飲食店がネット通販を始める時の手順や繁盛するためのポイントについてご紹介していきます。
目次
飲食店がネット通販をやるメリット
最近、多くの飲食店がネットショップで販路を拡大しているようです。
飲食店は、一般的に実店舗でお客様へ料理やドリンクを提供することが一般的です。
コロナ禍の影響で、外出の自粛など消費者の生活行動に大きな変化があったことによって、通販(ECサイト)の需要は年々上昇傾向にあります。
飲食店では、デリバリーサービス需要拡大によりゴーストレストランといった店舗を持たない飲食店も近年で大幅に増加しました。
飲食店が通販サイトで販路を拡大することには、3つの大きなメリットがあります。
ネット通販のメリット1) 全国に自社の商品が販売できることによる売上の増加
ネット通販の大きなメリットでもあるのが、全国を対象に自社商品を販売できるということです。
スマホ一台あれば、誰でもどこでも商品を購入できる手軽さが通販の強みでもあります。
コロナ禍の影響で実店舗の売上が伸び悩む中で、通販を利用して売上を伸ばしている飲食店もコロナが収まって以降も増加傾向にあるようです。
ネット通販のメリット2) 実店舗の集客に役立つ
通販(ECショップ)サイトで商品を販売することで、実店舗への来店するきっかけを作ることが可能ということです。通販で購入した商品を気に入ってもらうことができれば、実際に店舗へ行ってみたいという新規顧客の獲得に充分つながるといえるでしょう。
ネット通販のメリット3) ピークタイムがないため、時間や人材を有効活用できる
通販サイトは実店舗とは違い、ピークタイムなどがありません。実店舗の営業時間外でも注文を受け付けることができる他、会計などの手間や接客が不要になるなど人件費コストを抑えることができます。
さらに、効率的に運営ができることから、時間の有効活用も可能になります。
飲食店がネット通販のメリットを最大限に活かすための注意点
飲食店がネット通販を始めることのメリットはたくさんありますが、やり方を間違えてしまうと、法律に関わる問題になってしまうケースもあります。
始める前に保健所の許認可申請の種類をしっかり把握しておくことが大切です。
「飲食店営業許可」以外に飲食店がネット通販をやるうえで必要な許可証とは
通販を始めるには、「飲食店営業許可」だけではなく「製造許可証」が必要になります。
「製造許可証」とは、商品を製造し販売するための許可証です。
34種類あり、製造時に使用する食材の種類によって許可の内容が変わってきます。
製造場所の各都道府県の保健所が掲載している許可証の種類一覧を確認しておく必要があります。
「引用」: 新たに食品営業を始める方へ-大阪府
令和3年5月作成 大阪府健康医療部生活衛生室食の安全推進課
https://www.pref.osaka.lg.jp/annai/attach/k_0000-0153_1.pdf
「引用」:営業許可種類一覧|「食品衛生の窓」東京福祉保健局
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kyoka/kyoka_0.html
ぜひ参考にしてみてください。
飲食店がネットショップを開設するまでのチェックリスト
1)販売商品を開発・選定
ネット通販で販売を始める前に必要なのが、販売する商品を決めることです。
飲食店の場合、実店舗にあるメニューから商品を選定することもできます。
ネット通販で食品を販売する上で問題になるのが、配送方法や梱包です。
食品によっては、冷凍商品または冷蔵商品などをあらかじめ調べておく必要があります。
梱包やラッピングにも工夫が必要です。ネット通販に合わせた商品を開発する飲食店もあります。
食品以外にも食器や器具などのネット通販限定としたオリジナル商品の販売もできるため、販促物の幅が大きいのもネット通販をやる上で強みになります。
2)保健所で必要な許可を取得
「飲食店営業許可証」とは別で「製造許可証」を保健所で取得する必要があります。
自社で扱っている食品の種類によって取得する許可証が違います。あらかじめ各都道府県が掲載している製造業許可一覧表をチェックしておきましょう。
3)販売商品の試作、検査
飲食店が通販をやる場合、発送から到着までの間に食品が傷んでいないかなど輸送中に起こる問題を確認しておく必要があります。
品質の問題は実際に輸送してテストを行わなければ、わからないことが多いようです。
食品が輸送される過程を想定した上での試作が大切です。
4)ECサイトの構築
通販で食品を販売する際に必要になるのが、販売するサイトです。
販売するサイトは、自分でいちから作る方法と通販サイトに登録する方法、制作会社に依頼する方法があります。
多くの飲食店では、通販サイトに登録して食品を販売していることが一般的です。
通販サイトを選ぶ際の人気通販サイト5社を比較したものをまとめましたのでぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
月々にかかる料金や、支払い方法の条件が各社異なります。自社に合ったものを利用することをおすすめします。
5)商品の値段設定と配送する方法を決める
配送方法や商品の値段を決める必要があります。
値段設定は、梱包や食材の仕入れ価格をもとに決めましょう。
通販サイトに登録し販売する場合は、手数料も発生します。商品の値段を算出する計算式は「仕入れ値÷(原価率−手数料)」となります。
6)販売する商品を登録する
商品を登録する際に重要なのは、商品の写真です。
サイトを見たお客様が、「美味しそう!食べてみたい!」と思える商品写真を登録することが飲食店の通販では大切です。
また、販売する商品ごとにできるだけ具体的な説明を記載しておく必要があります。
基本的に、記載しておくと売れやすくなる内容は5つあります。
①原材料・成分・アレルゲン
②味・匂い・食感がどのようなものか
③美味しく食べるための説明
④賞味期限・消費期限
⑤お客様が商品を食べてどんなメリットがあるか
通販サイトであったとしても、飲食店はお客様への「安心・安全」が最優先です。
食品販売には欠かせない原材料や成分、アレルゲンの表示は必ず記載しましょう。
ネット通販を利用するお客様は、安心・安全に食べられる商品と認識してから実際に召し上がる際のイメージやメリットを考えます。
商品を登録する際は、具体的かつ安心してご購入いただけるように商品説明の工夫が大切です。
7)宣伝と集客を行う
サイトの準備が整ったら、販売の告知を行いましょう。
販売の告知は、販売する約2週間前がおすすめです。告知や宣伝が早すぎると、販売当日までに忘れられてしまう場合もあります。反対に、販売開始の当日や前日の場合は、充分な集客ができずに、認知されるまで時間がかかってしまいます。
SNSやホームページを利用して、前もって宣伝をしておくと販売開始時の売れ行きも高くなります。
通販サイトで商品が売れたら、ご購入いただいたお客様に口コミや評価をかいてもらいましょう。
ネットユーザーは口コミや評価を見て、購買の判断をするのが通販サイトでは一般的です。
信頼度を高めることができるツールですので、積極的に購入者様からのフィードバックを回収することが食品のネット通販を成功させる秘訣になります。
〜飲食店向けの通販サイト5社を比較〜
「なるべくコストをかけずに始めたい。」「サイトのデザインが自由に選べるところがいい。」「支払い方法が多いところに登録したい。」など、条件に合ったサイトを比較したい飲食店のオーナー様もいらっしゃるのではないでしょうか。
人気通販サイト5社を比較した表を参考にして検討してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はネット通販の始め方について通販サイトの比較表も交えて説明致しました。
ネット通販は、売上に波がある実店舗に比べて安定した売上を立てることができます。販路拡大の方法としてネット通販を取り入れる飲食店も今もなお、増加しています。
通販市場でも飲食店の競合は多数存在します。始める際には競合の通販サイトを調査が必要です。
ホームページからも直接通販サイトに飛べるようにするなどの対策をしましょう。アクセスしやすい環境づくりがさらに売上を向上させます。