サブスクサービスは、近年利用ユーザー数も多い注目のビジネスモデルの一つです。月額もしくは年額の料金を事前に支払い、期間内にさまざまな特典を受けられます。サブスクサービスは、飲み放題や会員価格での提供、クーポンの付与など店舗ごとにさまざまな特典を設けることができます。そのため、飲食店においても注目を集める導入例も増えています。
この記事では、実際に飲食店が導入しているサブスクサービスの具体例と、そのサービスを導入することによって得られるメリット・デメリットなどを詳しく解説します。
目次
飲食店のサブスクサービス
映画や音楽から衣類、家具まで、サブスクサービスに参入している業種は後を絶ちません。では、飲食店におけるサービス形態はどのようなものなのでしょうか。
サブスクのビジネスモデル
サブスクとは「サブスクリプション」の略称です。直訳としては「定期購読」「予約購読」と言い換えられるビジネスモデルの一種です。サブスクサービスの発祥は新聞による定期購読とされております。2000年代よりデジタルサービスにおいて定期利用のモデルが徐々に導入されるようになりました。そして、スマートフォンやタブレット・スマートデバイスなどの普及とともに、さまざまな業種がに参入しています。現在ではサブスクリプションのサービスが全世界的に広がっています。
飲食店における導入例
サブスクサービスというと音楽や映画、電子書籍などのデジタルサービスの印象が強いかもしれません。しかし、飲食店や飲食業を主体とするサブスクサービスも近年注目を集めています。なかには、利用申請を行うユーザー数が予想を大きく上回ったため、新規受付を停止するほど人気を集めたケースもあります。
一般的なサービス内容としては、いくつか挙げられます。
- サブスクサービスに加入することで利用回数に応じてメニューの割引や無料の特典を受けられるもの
- サービスの利用期間内であれば割引価格で食べ放題・飲み放題の利用が可能になるもの
- サブスクサービスを購入すると会員制の店舗を利用できる権利が得られるもの
またほかにも、様々なサービスがあります。
おすすめサブスクサービス9選
ここからは、サブスクサービスを導入しているおすすめのサービスを9店舗分紹介します.
串カツ田中
「串カツ田中」は大阪にて誕生した串カツチェーン店です。こちらでは、「田中で酒飲みPASS」と呼ばれるサービスを展開しています。パスを1枚購入すると、購入から1カ月間は540円以下のドリンクがすべて1杯270円で注文が可能になります。また、オーダー制限などはなく何杯でも適用されます。使用方法もわかりやすく、注文時に従業員にパスを見せるだけで割引が適用されます。そのため、アプリへの会員登録などの手続きも必要ありません。
また、すでに「田中で酒飲みPASS」を所持しているリピーター向けのサービスとして、「常連認定 田中で飲みPASSゴールド」もあります。こちらは夜9時以降に注文された540円以下のドリンク(生ビールを除く)は199円で注文可能になるサービスです。パス購入者だけでなくグループでの利用が可能であるのもゴールドならではでしょう。
居酒屋&焼き鳥一休
「居酒屋&焼き鳥一休」は、東京23区を中心に運営する居酒屋チェーン店です。月額料金を支払うことで特典が利用できる「一休会員サービス」が用意されています。
もっともベーシックな内容である「1ヶ月カード会員」は、月300円でカードを発行できます。カードを提示すると、店名に合わせて生ビールが190(いっきゅう)円になります。グループ全店で使用でき、店内メニューがお得な会員料金で楽しめるサービスです。
これに加え、年額500円(更新の場合300円)でカード会員と同様の特典を受けられる「ゴールドカード会員」があります。ほかにも、アプリをダウンロードし会員登録をする、「プラチナパス会員」も選べます。プラチナパス会員は月額300円で特別クーポンやドリンク無料サービスの追加特典が付与されます。
福しん
首都圏を中心にデリバリーや自動販売機販売にも力を入れているギョウザチェーン店です。「福しん」は、「ギョウザ定期券(サブスク)」のサービスを実施しています。
月額500円で、店舗に来店するたびに1人前(6個)のギョウザが提供されます。また、このサービスには来店制限などはなく毎日食べても追加料金はかかりません。
他のクーポンや割引券とも併用が可能ですが、1回の注文につき350円以上の注文は必要になるという点は注意が必要です。
6curry
静岡と東京に店舗を持つ、「カレーで集まり、自由に広がるコミュニティ」をテーマに会員制のカレー専門店を運営する「6curry」です。こちらでは、3種類のメンバーシップが用意されています。もっともリーズナブルな「6curry&OBメンバー」は、前身の店舗にてメンバーだった人が対象となるため、新規で申請する場合は「6curry&メンバー」「6curry&sauna三島店メンバー」の2種類から選びます。
会員制での運用に踏み切った理由は、ただ食べ物を提供するだけではなく、店舗が存在する地域とのつながりやその地域ならではのプロダクトやアクティビティを融合させる経験を提供することが目的とのことです。例えば、富士山にほど近い三島店では、富士山の湧き水を利用した水風呂が楽しめるサウナ施設と店舗を併設し、他の店舗にはない営業形態を打ち出しています。もちろん、メンバーパスを購入するとこれらの施設も利用可能です。
coffee mafia
「coffee mafia」は、1日1回指定のドリンクが提供されるサービスです。月額の定額会員コースに加入することでサブスクサービスを実施しています。店舗名通り、産地や焙煎方法・淹れ方にこだわったコーヒーはもちろん、緑茶やほうじ茶などの日本茶を指定することも可能です。
プランは「手ぶらプラン」「マイボトルプラン」の基本コースがあります。「手ぶらプラン」は名前の通り店舗で提供するカップで受け取れます。対して「マイボトルプラン」自身のボトルやタンブラーを店舗に持っていくスタイルです。そのため少し安く料金設定がされております。また、バタービールやカフェオレなど通常プランよりも注文できるドリンクの種類が増える「プレミアムプラン」もあります。自身のスタイルに合わせて利用できるのがうれしいポイントでしょう。
ベックスコーヒー
ベックスコーヒーはJR東日本の駅構内を中心に展開しています。主なサブスクサービスは、月20回までコーヒーが楽しめる「ベックスコーヒープラン・ライト」です。そのほか、1日1回~3回まで楽しめるものやマイボトルでお得に利用できるマイボトルプランなどがあります。さまざまな種類のプランから顧客のニーズに合わせて選択できます。
テイクアウトだけでなくイートインでも利用可能です。サブスクサービスに利用時間帯の制限がない点も利用しやすいメリットでもあります。朝の通勤のお供やランチタイム、帰りがけのゆったりタイムとその日ごとのライフスタイルに合わせられます。
上島珈琲店
上島珈琲店では、「上島珈琲店 PASS」のアプリによるサブスクサービスです。アプリをダウンロードすることで利用可能なサブスクサービスです。
- ネルドリップコーヒーまたはアイスコーヒーが1日1杯楽しめる「ネルドリップコーヒーパスポート」
- 通勤時など平日のみに利用する人向けの「ウィークデイパスポート」
- 午前11時までのオーダーでバタートーストセットを月8回まで利用可能の「朝活8」
頻度や時間に合わせて3種類から選択できます。
ゼロCafe
「ゼロCafe」はこれまで紹介したサービスとは異なります。、このサブスクサービスは特定の企業や店舗が運営するサービスではありません。会員制のカフェサービスとして、首都圏をはじめ全国30店舗以上の飲食店が提携しています。アプリ会員証を提示するだけでコーヒーが何杯でも飲み放題になるサービスです。
また、居酒屋での利用が可能になる「ゼロBar」サービスも提供が開始されました。こちらは4名以上の事前予約につき、会員の飲食代が割引になるというものです。カフェのみならず飲み会の機会が多い方にもうれしいサービスとなっています。
CRAFT BEER PASSPORT
こちらも「ゼロCafe」と同じく、利用可能である提携店でのサービスです。パスポート画面を提示するとクラフトビールが1日1杯提供されるサービスです。提供されるクラフトビールの種類は店舗ごとに異なります。最大でおよそ20種類以上の銘柄があるため、1日ごとに飲み比べもできるでしょう。提携店舗は都心のみならず全国の居酒屋やバーが展開しています。今後も提携店が増える見込みとのことで、さらに利用の幅が広がりそうです。
飲食店はサブスク導入をすべき?
これまで紹介した通り、現在は店舗や企業ごとにさまざまなスタイルのサブスクサービスが展開されています。そこで、店舗側にとってサブスクサービスの導入は検討したほうが良いのでしょうか。メリット・デメリットを整理してみまましょう。
サブスクサービスのメリット
サブスクサービスのもっとも大きなメリットをしょうかいします。それは、月額や年額での会員サービスを提供する仕組みであるため、リピーターとしての顧客を獲得できる点です。
一般的にリピーターを獲得することは簡単ではありません。
- メニューの品質
- 店舗までのアクセス
- 従業員や内装・外装の印象の良さ
など他にもさまざまな要因があります。それに対して顧客への満足度を高める必要性があります。一方で、サブスクサービスは「期間内は割引」「1日1回無料」などの特典が多いです。そのため、「もとが取れるように何度も店舗に通う」と考える顧客が増加します。少なくともサブスクの契約期間内はリピーター客の増加が見込めるでしょう。
また、サブスクサービスを申し込むには顧客が会員登録を実施します。そのため、店舗側が大規模なマーケティング調査を行う必要はありません。それに加え、自然に顧客情報の整理が可能になる点も見逃せません。
新たなメニューの開発やサービスの改善には、明確なターゲット層の設定や顧客から得られる情報を参照します。マーケティング調査のノウハウがなくとも情報収集ができる点は大きなメリットと言えるでしょう。
サブスクサービスのデメリット
一方でもっとも大きなデメリットがあります。それは、サブスクサービスを利用する顧客の有無に関わらず、常に固定費が加算される点です。店舗独自のアプリを作成したり、オーダーシステムを導入したりするなど提供方法は店舗ごとに異なります。しかし、サブスクサービスの環境構築には一定のコストを負担しなければいけません。
それだけではなく、新たにサブスクサービスを開始する場合は顧客への宣伝や周知を行う必要があります。そのための宣伝費、従業員に対するオペレーションの徹底などが新たに発生します。プロセスと定例業務を平行しながら実施する必要があるでしょう。
店舗アプリの活用を検討
飲食業のサブスクサービス進出が目覚ましく変化しています。近年は飲食店向けのサブスクサービスを統括するアプリやポータルサイトを活用している例が増えています。サービスを活用することで一つのプラットフォームにまとめて表示されます。顧客にとっても内容の取捨選択がしやすく、自身の望んでいるサービスへ到達するプロセスの手助けとなります。しかしそのようなサービスは、プラットフォームへの掲載費などのコストは発生します。ただし、店舗側にとっても新規顧客獲得へつなげられるメリットが考えられるでしょう。
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まとめ
サブスクサービスはさまざまな業界で広がりを見せています。それは、飲食店にとっても例外ではありません。リピーター客の獲得が期待できる一方で、サービスや特典の精査や顧客のニーズ、そしてサービスの宣伝・周知がままならないと売上につながらない恐れもあります。そのため、事前準備にはしっかりと時間をかける必要があります。
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