みんなの飲食店研究会

飲食店に必要なコンセプトの考え方【無料ダウンロード有】

飲食店に必要なコンセプトの考え方【無料ダウンロード有】

飲食店の集客に関するお悩みは「みんなの飲食店研究会」へ一度ご相談ください。 お客様に合わせた最適な集客手段をご提案いたします。

お問い合わせする


飲食店にコンセプトが必要な理由とは

まず、コンセプトって何?

コンセプトとは、テーマや方向性を表す概念のことです。
店舗のことを説明する際に「こんなお店です」と表すものを指します。

例えば、「一人でも楽しめる焼肉屋」がコンセプトの場合、お店が示す価値と方向性は「一人でも楽しめる焼肉屋」です。
コンセプトはお店からお客様へのメッセージにもなるため、この飲食店が目指しているのは「一人でも気兼ねなく焼肉が食べられて、満足できる焼肉屋」です。
コンセプトは飲食店の中心軸でもあります。
開業準備中に、判断に迷う事象が発生したら「ひとりでも楽しめる焼肉屋」を起点に考え、判断しましょう。
お店の一貫性が保たれて、より良いお店作りができるはずです。

コンセプトはキャッチコピーと間違えられることもあるため注意しましょう。
キャッチコピーは「宣伝文句」です。コンセプトが決まった後に考え、広告で使用します。

コンセプトが本当に必要なのか考えてみましょう。

なぜ飲食店にコンセプトが必要なのか?

次に、飲食店にコンセプトが必要な理由を説明します。

1 ライバル店との差別化ができる

コンセプトが明確であれば、近隣の飲食店と差別化されます。お客様が飲食店を選ぶ際の判断基準にもなります。
例えば、ランチでお肉を食べたいと考えるお客様が「大阪 ランチ 肉」と検索した場合で考えてみます。検索一覧には大阪周辺でランチにお肉が食べられるお店が並びます。お客様の最終的な決め手は「具体的にどんなお店なのか」になるはずです。
お客様の決め手になったお店の特徴
・一人でも入りやすい
・他の人の目が気にならない座席配置
・提供、支払いシステムが簡単で分かりやすい
・コスパが良い
コンセプトはお客様が飲食店選びで迷ったときに判断する材料です。飲食店独自のコンセプトがはっきりとしていればいるほど、競合店との差別化ができます。

2 お客様のイメージが定着しやすくなる

飲食店の強みを活かすコンセプトが設定されていれば、独自のサービスや雰囲気を好きになるお客様が増えてきます。
その飲食店に対するイメージが定着しやすくなるので、リピートにも繋がりやすくなります。

3 飲食店の意思決定が容易になる

飲食店を開業する際、経営者はさまざまな意思決定をしなければなりません。
・提供メニュー
・味付け
・提供スピード
・仕入れ先と価格
・店名と外装
・内装とスタッフの導線
これら以外にも決めなければならないことは多数あります。
一つ一つ決めていくには膨大な時間がかかりそうですね。しかし、コンセプトさえ定まっていれば判断基準が明確です。迷ったときは「コンセプトに合っているか」を考えれば答えが導きだせますし、スピーディに判断できます。

飲食店のコンセプトの決め方にはコツがある

コンセプトの重要性を理解したら、さっそく考えていきましょう。
コンセプトはキャッチコピーではありません。例えば、「うまい、やすい、はやい」は、キャッチコピーであり、コンセプトを伝えるための言葉です。コンセプトを決める際は、具体的に「誰に・何を・どうやって」提供するのか、店舗づくりの土台となるものを考えなければなりません。
また、闇雲にアイデアを列挙しては、うまくまとまらないので、以下の手順で考えていきます。
1 変えたくないこと(絶対に欠かせないこと)ことを考える。
2 5W2Hでイメージを見える化。
3 考えたことをコンセプトシートに落とし込む

1.変えたくないことを決める

まずは飲食店を開業するうえで経営者が「これだけは欠かせない」と思っていることを決めます。
コンセプトはお店作りの軸となりますが、「変えたくないこと」はコンセプトの軸となります。経営者が理想とするお店づくりの根幹であり、柱です。経営が軌道に乗り、店舗数が増えて規模が大きくなっても、決してぶれることがなく、変わることがないことを指します。コンセプトの軸が決まれば、次のステップで迷うことがあっても、軸に返って考え直せます。

飲食店開業にあたって、経営者が想いやビジョン、お店のテーマを改めて考えてみる良いきっかけとなるでしょう。

2.5W2Hでイメージを見える化

軸が決まれば、具体的にどんなお店にしたいのか、何を準備するべきかを考えていきます。
具体的に考えるうえでは「5W2H」の考え方が役立ちます。
ビジネスシーンでも多用される「5W2H」とは、「Why」「Who」「What」「When」「Where」「How much」「How」の頭文字から構成されたものです。

「5W2H」の7つをそれぞれ埋めていくと、お店のイメージが具体化されます。

「Why」なぜ…創業の理由や飲食店経営の目的
なぜ飲食店をはじめるのか?なぜこの料理を提供するのか?

「Who」誰に…ターゲット・顧客層(年齢・性別・職業)
何歳の方に利用してもらいたいのか?性別のターゲットは?女性で複数?男性で一人?会社員?主婦?学生?

「What」何を…提供メニュー、商品、サービス
料理の種類は?サービスに特徴はあるか?

「Where」どこで…出店エリア
飲食店の立地は?競合店は近隣にある?交通アクセスや人通りの状況は?

「When」いつ…営業時間
ランチのみ?ランチとディナー?休憩時間は設ける?

「How much」いくらで…料理やサービスの価格
料理の価格は?利益は?独自サービスで付加価値はある?

「How」どのように…提供スタイル、空間演出
どのように料理やサービスを提供する?食べ放題?セルフサービス?空間は古民家風?スタイリッシュ?

まずは「Why(なぜ)」の創業目的から決めていきましょう。

次にターゲットや提供メニューを考えた後、エリアや営業時間、価格と提供スタイルに関してアイデアを出します。
考えても思いつかない、候補がたくさん出て決まらない場合は、情報収集してみると良いでしょう。
インターネット上ではなく、実際に足を運ぶようオススメします。
例えば、ターゲットに悩んでいるなら、出店エリアを歩いてみてください。
どんな年齢層でどんな職業の方がランチタイム、ディナータイムで通っているかを確認できます。
競合店に実際に足を運んでみると、提供価格やメニュー、サービス内容まで調査できます。
コンセプト作成のヒントであふれているはずです。

3.考えたことをコンセプトシートに落とし込む

変えたくないことと、5W2Hを考えられたら、コンセプトシートに書き込んでいきましょう。
コンセプトシートに書き込めば、全体を俯瞰で見ることができます。
それぞれが相互に関係しているので、全体で整合性がとれているか、ターゲット層に無理がないかなど、実現性を確認できます。

ポイントを押さえられれば簡単!コンセプトシートの作り方

【無料】コンセプトシートダウンロードはこちら

コンセプトシートを開いたら、手順を守って1項目ずつ書き込んでください。
まずは「変えたくないこと」を書き込み、次に「Why(創業目的)」「Who(誰に)」を書き込めば、イメージが具体化されます。
開業までに何を準備しなければならないかも明確になります。

関連記事:飲食店開業までのスケジュール紹介
コンセプトが決まれば開業までのカウントダウンが始まります。

コンセプトを決める際の注意点

何も書き込めずに真っ白な状態でいるよりは、思いつくままに書いてみるのも一つの手段です。
ただ、アイデアを単純に寄せ集めただけでは、コンセプトとは呼べません。

整合性・つじつまが合っているか

アイデアを整理したうえでコンセプトシートを確認してください。
シート状で整合性が取れているかを必ずチェックしなければなりません。

例えば、「Who(誰に)」欄に「働き盛りの男性」と書かれているのに、
「Where(どこで)」が「住宅街」だと、ランチやディナーでもマッチしづらい可能性があります。
この場合、「Where(どこで)」は「オフィス街」がマッチしますね。

それぞれに関係しあっているので、全てが一致していない場合、コンセプトとのずれが生じてしまいます。

書き込んで満足せずに、冷静な目線で確認しなければなりません。

実現可能か

冷静な目線でいえば、最終的に決めたコンセプトが実現可能かどうかの判断も必要です。

コンセプトを考えるうえで、経営者の熱意や夢を実現させたいために強い思いがあふれてしまうこともあります。
ただし、熱意だけでは飲食店の運営はできません。
非現実的なことがコンセプトシート内に列挙されると、長期運営に影響を及ぼす可能性があります。
コンセプトが定まっても、コストや従業員の幸福度、顧客のニーズなど多面的に考えることも重要なので、覚えておきましょう。

定期的な見直し

無事開業しても、定期的にコンセプトにずれがないかの確認も忘れないでください。
店舗を増やしたり、規模を拡大する際にズレが生じる可能性があります。
長期的に経営しているのであれば、価格の見直しも必要となるかもしれません。
「安い」ことがコンセプトに含まれるのであれば、ターゲットの見直しが必要になったり、付加価値をつけてターゲットの確保をねらったりと、メンテナンスも行っていきましょう。

まとめ

飲食店のコンセプト作りは、お店の寿命を決めると言っても過言ではありません。コンセプトはお店を開店してからも変わることがない「軸」となり、お店を紹介する際のテーマとなります。
家を建てることをイメージしてみると分かりやすいかもしれません。
大黒柱がしっかりしていれば、地震や台風に見舞われても安心です。

逆に柱が無いと、簡単に崩れてしまいます。
コンセプトが定まっていなければ、お客様も戸惑ってしまいます。
「また来たい」と思ってもらえず、リピーターの獲得が難しくなるでしょう。

長寿命の飲食店をつくりたいなら、店舗の強みを理解し、たくさんのお客様にアピールしていかなければなりません。

コンセプトが決まれば、飲食店に応じた広告宣伝方法、集客方法を選ぶことができます。この機会にコンセプトを考えてみてはいかがでしょうか。ホームページや看板、内装にも良い影響を与えますよ。